
深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】
沢木耕太郎
この本について
気づけば毎日、意味づけの世界に縛られてしまうことってありませんか。仕事でも趣味でも「これって何の役に立つんだろう」と考えだすと、どんどん身動きが取れなくなる。やりたい気持ちはあるのに、理由をうまく説明できないと先に進めない。そんなモヤモヤを抱えている人に、沢木耕太郎の『深夜特急』は静かに効いてきます。 この本には、目的も意義も打算もない行動に身を委ねる瞬間が何度も出てきます。「まるで何の意味もなく、誰にでも可能で、しかし酔狂な奴でなくてはしそうにないことを、やりたかった」という一文には、言い訳なしで動くことの軽さがそのまま詰まっています。あの感じを読むだけで思い出せる。自分の中にも確かにあったはずの衝動が、ちょっとだけ息を吹き返すような感覚があります。 もう一つ、この本には「風雲は急を告げている」という言葉が象徴するように、じわっと背中を押す空気があります。大げさな決断を迫るわけじゃないけれど、いま心のどこかにある停滞に小さな風穴が開く。それが旅の描写だけで成立しているのが不思議で、読んでいるこちらまで少し前のめりになるんです。 意味を求めすぎて動けなくなるタイプの人に刺さる本だと思います。やりたいことに理屈が追いつかなくても、まず一歩だけ動いてみてもいいかもしれない。そんな気分に静かに切り替えてくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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