今はもうない SWITCH BACK S&Mシリーズ (講談社文庫)

今はもうない SWITCH BACK S&Mシリーズ (講談社文庫)

森博嗣

累計読者数8
平均ハイライト数 3.9件/人
star総合評価 36/100
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この本について

仕事でも日常でも、「自分の考えってどこから来てるんだろう」とか、「納得しているようで実は後づけの理屈なんじゃないか」とモヤモヤすることがけっこうあります。考えているつもりでも、気付けばただ反応しているだけで、自分の思考の正体がよく分からなくなる、あの感じです。 森博嗣の『今はもうない』は、物語の裏側でそういう“思考の根っこ”をそっと突いてきます。たとえば、理論は後づけの舗装にすぎないとか、人生は途切れ途切れのトンネルだとか、読みながら「ああ、そういう見え方もあるのか」と肩の力が抜ける瞬間が何度かありました。自分がたどってきた思考の道が、必ずしも整っていなくてもいいんだと思えるというか、むしろ誰だって暗い山道を手探りで歩いているだけなんだと感じられます。人は他者を意識しないと個人になれない、という視点も、普段あまり言語化できない違和感を代わりに形にしてくれるようでした。 派手な“答え”がある本ではないけれど、思考と感情のあいだで迷子になりやすい人には、静かに効きます。自分の中のもうひとりの傍観者に気付いたことがある人なら、特に刺さると思います。

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