封印再度 WHO INSIDE S&Mシリーズ (講談社文庫)

封印再度 WHO INSIDE S&Mシリーズ (講談社文庫)

森博嗣

累計読者数9
平均ハイライト数 11.7件/人
star総合評価 49/100
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この本について

仕事でも日常でも、ふと「自分って今どこに立ってるんだろう」と曖昧な気分になることがあります。やるべきことは分かっているのに、思考が途切れたり、気持ちが追いつかなかったり、OSがうまく立ち上がらない朝みたいな––そんな感覚です。 『封印再度』の抜粋を眺めていると、読者が惹かれているのは事件そのものより、「人間の意識は不連続」「人生は無駄の地層でできている」みたいな、静かだけど鋭い視点のほうなんじゃないかと思います。森博嗣はミステリを書いているようでいて、登場人物の思考のクセや、世界をどう受け止めているかを丁寧に描くんですよね。だから読みながら、自分の思考の輪郭が少し整っていく感じがあるんです。 個人的には、犀川の距離感のある物言いや、時間そのものを見つめるような場面に助けられました。忙しさに流されていると、「ただ考えている時間」にも重さがあることを忘れがちですが、この作品はその感覚を思い出させてくれます。それに、無駄や複雑さを即否定しないところもいい。自分の中の割り切れなさを、そのまま置いておける物語です。 理屈だけでは自分を説明しきれないな、と感じている人に向いていると思います。ミステリを読んでいるはずなのに、気づくと自分の思考の使い方を見直していた––そんな読後になる一冊でした。

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