
利他学(新潮選書)
小田 亮
NHK出版 / 2022-04-25
この本について
人に親切にする理由が自分でもよく分からなくなる時があります。誰かを助けたあとに「これって本心からなのか、それとも見返りを期待してるだけなのか」とか、人の善意を素直に受け取れずにモヤッとしたり。利他って言葉のわりに、自分の感情はそんなにきれいじゃないよな、と感じる瞬間があるんですよね。 『利他学』は、そのモヤモヤを「正しい形に整えてくれる」タイプの本でした。利他を美談として扱うのではなく、人間にそういう行動が備わっている“しくみ”を、進化や脳の働きから丁寧に見ていくので、読んでいて妙に気が楽になります。仮説を立てて疑い、また更新していくという科学的態度の話は、仕事の判断にもそのまま使える感覚がありましたし、「評判」「個体識別」「記憶」といった具体的な条件がそろって初めて利他が成立するという説明は、職場のチームの空気や人間関係の扱い方を見直すきっかけになりました。 そして一番刺さったのは、利他的にふるまう理由が「崇高な精神」だけではなく、長期的に自分を守るためのしくみでもあるという視点です。オデュッセウスの話のように、目先の誘惑に流されないための“自分を縛る仕組み”として道徳があるという説明は、善意を過度に神聖視しなくていいんだと肩の力が抜けました。 人の行動を「きれいごと」で語るのに疲れた人や、優しさと打算の境界で立ち止まることが多い人に、とても静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




