
マグマ (角川文庫)
真山 仁
誠文堂新光社 / 2023-09-18
この本について
仕事で判断を求められる場面が増えるほど、「自分はいま何を見落としているんだろう」「正しいと思って動いているけれど、本当に合っているのか」と不安になることがあります。事実と感情、責任と恐怖がごちゃっと混ざったまま、目の前の霧だけが濃くなっていくあの感覚です。 『マグマ』を読んで響いたのは、まさにその“霧の中で進むしかない人間”の姿でした。登場人物たちは、国家レベルの利権やエネルギー政策と向き合いながら、同時に自分の弱さや恐怖とも折り合いをつけていく。蛍の光や、湖面に映る月、雨の匂いといった描写に心が動いた人は、おそらく「自分もこんなふうに、混乱の中で何か小さな手がかりを見つけたい」と感じているんだと思います。理屈よりも、感覚が一瞬だけ視界を切り開く瞬間があるんですよね。 この物語が効くのは、責任の重さに押しつぶされそうな時に「知らないままの方が楽かもしれない。でも、それでも知ろうとする自分でいたい」という気持ちを静かに肯定してくれるところです。そして、利権や正義の裏にある“人の揺らぎ”が描かれているからこそ、自分の迷いもそこまで異質じゃないと思わせてくれる。 腹を括りたいのに、どこで覚悟を決めればいいのか分からない人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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