
池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」 (ホーム社)
池上彰
集英社 / 2009-06-30
この本について
仕事をしていると、「自分の給料って、何を基準に決まってるんだろう」とか、「会社の都合で人生が左右されすぎじゃないか」とか、説明しづらい違和感が出てくることがあります。理不尽とまでは言えないけれど、どこか腑に落ちない。その正体がつかめず、ただ疲れていく感じです。 この本は、そういうモヤモヤを変にポジティブに処理せず、「仕組みのほうを理解する」という方向で落ち着かせてくれました。たとえば、給料が“労働力を翌日も使える状態に戻すための費用”という考え方は、現実の生活感と妙に噛み合っていて、自分の疲れ方や日々の余裕の無さまで説明されているように感じます。また、資本家と労働者の関係が対立とか善悪ではなく、構造上そう動かざるを得ないという視点で読めるので、今の働き方の「自分のせいではない部分」を冷静に切り分けられました。そして、ウォルマートの話のように、安さの裏側で何が起きるかを具体的に描いてくれるので、ニュースで見ていた社会問題が急に自分の生活と直結してくる感覚があります。 大きな答えが見つかる本ではないけれど、「なんでこうなるのか」を言語化したい人にはかなり刺さると思います。自分の働き方や毎日のしんどさを、もう少し俯瞰で見たい人にちょうどいい一冊でした。
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