
超訳 資本論 お金を知れば人生が変わる
許成準
彩図社 / 2014-06-16
この本について
仕事でも生活でも、なんとなく「自分の時間や労力がどこに吸われているのか分からない」と感じることがあって、けっこうしんどいですよね。給料は増えにくいのに、働くほど疲れるだけで、何がどう回っているのか見えないまま毎日が過ぎていく。僕も同じで、一度この構造を言葉でつかみたくて手に取ったのがこの本でした。 読んでみて意外だったのは、資本主義を批判したいとか、難解な理論を理解したいというよりも、「自分の働き方がなぜこうなるのか」を腹落ちさせるための本だったことです。たとえば、労働力というものが“まだ働いていない段階”で値付けされるという話や、分業が進むほど個人の力が細切れになっていく構造は、会社で感じていたモヤモヤの正体を説明してくれました。さらに「お金→商品→お金」という循環を知ると、なぜ企業がひたすら効率化に向かうのか、個人の努力だけでは埋められない流れがあるのかも見えてきます。 理不尽を正当化するための知識ではなく、目の前の現実がどうつくられているかを一段引いて見られるようになるのが、この本のいちばんの効き目だと思います。特に「自分の労働の価値をもう少し客観的に見たい人」には刺さるはずです。僕自身、読んだからといって劇的に何かが変わったわけではないけれど、働き方の選択で必要以上に自分を責めなくなりました。そんな意味で、静かに効いてくる一冊です。
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