
ヒトラーの大衆扇動術
許成準
彩図社 / 2010-07-09
この本について
仕事でも日常でも、人に何かを伝えようとすると、思ったほど届かないことが多いですよね。会議で意図がズレたり、頑張って説明したのに相手の反応が薄かったり。自分の表現が弱いのか、そもそも相手の状況をつかめていないのか…と、地味に悩みが積もっていきます。 この本は、ヒトラーという極端な歴史上の人物を題材にしながら、「人はどういう状況で、どんな言葉に動かされるのか」を冷静に読み解いています。危険な手法も多いですが、抜粋を見ても、読者が刺さったのは扇動そのものではなく、現代のコミュニケーションにもつながる部分だと思います。たとえば、人は不安が強いほど言葉を受け取りやすくなるとか、導入で好感を得ないと内容が入らないとか、時間帯や雰囲気によって抵抗が変わるとか。ああ、結局は「状況と感情」なんだよな、と妙に腑に落ちるところが多いです。 もう一つおもしろいのは、ヒトラーがどう見せ方を作っていたのか、という視点です。夕暮れに演説したり、登場のしかたを工夫したり、相手が聞きたいことを徹底的に拾ったり。倫理的に真似できない部分は多いですが、「人前に立つ時の空気づくり」という意味では、仕事にも置き換えられるヒントがありました。 冷静に距離を置きつつ、「人の心はどう動くのか」を知りたい人には刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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