
「マウント消費」の経済学(小学館新書)
勝木健太
この本について
タイムラインを眺めているだけなのに、なぜか胸のあたりがざわつく日があります。誰かの旅行、仕事の成果、趣味の写真。別にマウントされているわけじゃないのに、「自分だけ何もできていない気がする」と急に足元がぐらつく。そういう時ほど、人って他者との比較でしか自分の位置を確かめられなくなるんですよね。僕もよくそこで迷子になります。 『「マウント消費」の経済学』は、そのモヤモヤを「弱さ」ではなく、もう少し現実的な人間の仕組みとして扱ってくれます。優越感を求めてしまう心理は避けられないものだと認めたうえで、今のSNS時代ではそれがどう消費に結びつき、どう生活の選択を歪めていくのか。読んでいると、自分がなぜ疲れるのかが言語化されていって、変に自己否定せずに距離を置く感覚が持てました。 特に刺さったのは、「さりげないマウント」という日本特有のスタイルの話と、企業側の視点で語られる「自己証明の場としてのサービス設計」。どちらも、僕たちが普段ぼんやり感じている“居心地の悪さ”の背景をかなり具体的に説明してくれます。自分の行動がいつの間にか“見られる前提”になっていたことにも気づかされました。 他人の成功にいちいち心が揺さぶられてしまう人、あるいは「自分らしさって本当に自分のものなのか」と疑問を持ち始めている人には、かなり静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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