
ヨーロッパ現代史 (ちくま新書)
松尾秀哉
この本について
最近、「なんで今の政治ってこんなにギスギスしてるんだろう」とか、「いつから“弱い立場の人を支える”って空気が薄れたんだろう」と、説明しづらいモヤモヤを感じることが増えました。ニュースを追っても断片ばかりで、つながりが見えないまま不安だけが残る感じ、僕自身ずっと抱えていました。 『ヨーロッパ現代史』を読んで少し楽になったのは、今の混乱が“突然始まったわけじゃない”とわかったからです。戦後の和解と福祉国家という「みんなで立て直す」モードから、冷戦後の競争一色の時代へどう転がっていったのか。その道筋が、イギリスやフランス、ドイツの日常的な政治の中で丁寧に追われていきます。例えば福祉国家が成立した理由と、その後なぜ息切れしたのか。移民問題や極右の台頭がどう生活者の感情とつながっているのか。ニュースでは点に見える出来事が、ここでは線になる感覚がありました。 歴史書といっても「大きな物語」を語るというより、僕らがいま感じている閉塞感の“説明書”に近いです。世界の動きが腑に落ちると、自分の立ち位置も少しだけ見えるようになる。そんな読後感でした。 今の社会のしんどさの背景を、感情だけでなく構造として理解したい人に刺さる一冊だと思います。
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