
日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)
原沢伊都夫
この本について
日本語の文を書いていて、「なんとなく分かるんだけど、人に説明しようとすると途端に曖昧になる…」というモヤモヤ、けっこう長く引きずってきました。とくに「主語って本当にそんなに大事なの?」とか、「ている/てあるの違いって直感では分かるけど理屈にできない」といった部分。学校で習った文法と、自分が日常で使っている日本語がどうも結びつかない感じがあったんです。 この本は、その食い違いをそっとほどいてくれる感じでした。主語を絶対視しない考え方や、述語を中心に成分が並ぶという整理は、実際に日本語を話すときの感覚にやたらフィットします。格助詞が「文をつなぐボルト」として9種類だけだ、と捉え直すのも気持ちが軽くなりますし、ている/てある、自動詞/他動詞の対応も、例を追いながら読むと自然と腑に落ちてきます。昔話の「おじいさんが/おじいさんは」の切り替わりのように、日頃なんとなくやっていたことに理由があったんだと気づけるのも面白いところでした。 文法を“武器”にしようと力む必要はなくて、単に日本語の仕組みを自分の感覚に合う形で持ち直したい人にはすごくちょうどいい一冊だと思います。日本語教育や言語学に興味がある人はもちろん、「説明できない違和感をそのままにしてきた人」に特に刺さるはずです。
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