
レトリック感覚 (講談社学術文庫)
佐藤信夫
講談社 / 1992-06-10
この本について
文章を書くとき、「なんとなく言い回しがしっくりこない」「自分の感じていることをそのまま言葉にできていない気がする」と感じることが多いです。表現の問題なのか、そもそも何をどう見ているのかの問題なのか、その境界があいまいなまま手が止まることもあります。 『レトリック感覚』を読んで救われたのは、言葉の“飾り”だと思って遠ざけていたものが、実は認識そのものをつくる技術だった、と腑に落ちた瞬間でした。たとえば、直喩や隠喩といった形式が「似ているもの」だけでなく「隣り合っているもの」から生まれる、と具体的に分解されると、自分が普段どの視点で世界を切り取っているかが見えてきます。また、辞書どおりの言い方では届かない気持ちがあるからこそ、レトリックが必要だという指摘は、書くときの迷いにそのまま刺さります。 この本は、文章をうまく装飾するための秘訣ではなく、「なぜその表現形式が刺激的なのか」を自分の手で点検できるようにしてくれる本です。書くことに限らず、相手の言葉をどう受け取るかという場面でも、見えなかった構造が見えてきます。 文章の違和感を放置したくない人、比喩や言い回しの“意味”を自分で確かめられるようになりたい人には、とても静かに効いてくると思います。
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多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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