
天使と悪魔 Special Illustrated Edition (角川書店単行本)
ダン・ブラウン and 越前 敏弥
角川書店 / 2006-12
この本について
なんとなく「科学と宗教って、結局どこまでいっても分かり合えないのかな」と思うことがあります。日常の中ではわざわざ言語化しないけれど、心のどこかでモヤッと残るあの感じです。自分の中でも理屈で考えたい部分と、理由じゃ説明しきれない部分が同居していて、ときどき折り合いのつけ方が分からなくなるんですよね。 『天使と悪魔』はサスペンスとして有名ですが、抜粋を見ていると、読者が惹かれているのは派手な事件よりも「対立して見えるもの同士がどう折り合うか」というテーマのほうなんじゃないかと思います。セルンの科学者、ヴェトラ神父のような存在が象徴しているのは、どちらか一方を否定するんじゃなくて、両方を抱えたまま迷い続ける姿勢で、そこが妙に現実的です。枢機卿たちの名前が並ぶ緊張感の裏に、人が立場と信念のあいだで揺れる様子が透けて見えるのも、この物語の効きどころだと思います。 読みながら、自分の中にある「理解したい頭」と「理解できなくていいと思う心」のバランスをそっと見直す時間になるはずです。壮大な舞台設定のわりに、その揺れ方は私たちの日常に近い。だからこそ、派手な事件の裏側で語られる思考のぶつかり合いが、妙に自分ごとに感じられる瞬間が多い作品です。 理屈と直感の両方に振り回されがちな人に、とくに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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