
科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス)
三田一郎
講談社 / 2018-06-20
この本について
科学を学んでいると、ときどき「この世界はどこまで説明できるんだろう」と立ち止まる瞬間があります。自分も仕事の中で理屈を追いかけるほど、逆に理屈だけでは片がつかない領域が気になってくることがあって、そのモヤモヤをどう扱えばいいのか悩んでいました。 この本が面白いのは、科学と宗教を対立軸で語らないところです。著者自身が物理学者でありながら教会の助祭でもあるので、「矛盾しているように見えるものをどう折り合いながら生きているのか」が、具体的なエピソードと歴史の流れの中で示されていきます。たとえばガリレオ裁判が単純な“科学 vs 宗教”の構図ではなかったことや、教会が天動説を採った背景に「理性で神を説明しようとした」という意外な事情があったことなど、知っているつもりでいた話が、まったく違う景色で立ち上がってきます。 読み終えるころには、「科学で説明できることが増えるほど、逆に説明できない部分が鮮明になる」という視点が少し腑に落ちます。自分の立場を決めつける必要はなく、ただ“問いの形”が整う感覚に近いです。科学と信仰のどちらかに答えを求める人というより、どちらにも完全には寄り切れず、でもどちらにも興味が残っている人に届く本だと思います。
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