
創造論者vs.無神論者 宗教と科学の百年戦争 (講談社選書メチエ)
岡本亮輔
講談社 / 2023-09-11
この本について
宗教とか科学とか、大きすぎるテーマの話になると、どこから考えればいいのか分からなくなりませんか。自分も「宗教ってどこまで“信念”で、どこから“社会の仕組み”なのか」「科学者は本当に宗教を信じていないのか」みたいな素朴な疑問がずっと残ったままでした。立場が対立しているように見えて、実際は何が問題になっているのかが見えづらいんですよね。 この本は、そのモヤモヤに具体的な輪郭をつけてくれました。例えば、優秀な科学者ほど信仰を持たない傾向があるという現実がありつつ、一方で宗教が社会に深く根づいていて、単に「正しいか間違っているか」では片づけられない背景も描かれる。さらに、ID論のように宗教が科学を装うケースでは、一般の人が議論の表面だけ見ても見抜けない理由が、専門的な構造とともに示されていて、ニュースで見る論争の裏側が一気につながる感覚がありました。 何より大きかったのは、スパモン教のようなパロディ宗教がなぜ生まれ、なぜ人を動かすのかが、単なるネタではなく“現代社会の歪みを映す現象”として説明されている点でした。自分の中にあった「本物の宗教とそうじゃないものの違いって何なの?」という疑問にも、無理に結論づけない形で向き合わせてくれます。 伝統や権威の境界が揺れている今の空気感をどう捉えればいいのか悩んでいる人に、とても刺さる本です。
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