
在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活
荒木 優太
この本について
研究って好きで続けたいのに、環境や肩書がないだけで「自分なんて…」と気持ちが萎えてしまうこと、けっこうありますよね。論文も読めば読むほど分からないことが増えるし、一人で粘っても手応えがつかみにくい。なのに、誰に相談していいのかも分からない。そんな宙ぶらりんな時間を経験した人ほど、この本の言っていることが腹に落ちると思います。 著者が書いているのは、「在野だからこそできる研究の形」が確かに存在するという、ごく現実的な視点です。例えば、論文形式にこだわらず、読書会や小さなコミュニティから成果を出していけること。あるいは、外来研究員の制度を使えば、個人でも資料にアクセスできる道が開けること。そして、研究は名乗り続けるだけでは成り立たず、細くても手を動かし続けることでしかつながらないという静かな覚悟。どれも「根性論」ではなく、在野でやる人が実際に直面する壁に対しての具体的な道筋として語られています。 読んでいると、研究が特別な人だけの営みではないことが少しずつ分かってきます。テクノロジーの進歩で道具が手に入りやすくなったことや、共同研究の相手がいるだけで続けやすくなるという小さな工夫も、この本ではちゃんと扱われているところがありがたい。 肩書がないまま、でも何かを掘り下げたい気持ちだけは捨てられない人に、静かに効いてくる一冊です。
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