
「豊かさ」の誕生(上) 成長と発展の文明史 「豊かさ」の誕生 成長と発展の文明史 (日本経済新聞出版)
ウィリアム・バーンスタイン and 徳川家広
日本経済新聞社 / 2015-06-01
この本について
最近、今の社会の動きがどうもつかめない…とか、自分の働き方やお金との距離感が揺らぐ瞬間ってありませんか。目の前の景気やニュースだけ追っても腑に落ちず、「そもそも豊かさってどう成り立ってきたんだろう」と立ち止まりたくなることがあります。僕もこの本を手に取ったのは、そういうモヤモヤが続いていた頃でした。 『「豊かさ」の誕生(上)』が面白いのは、現代の資本や技術を「今どきの話」として切り取るのではなく、何百年というスパンで見たときに何が人を動かし、何が経済の流れを変えてきたのかを淡々と示してくれるところです。例えば、借金という仕組みがなぜ強力だったのか、資本市場が生まれた背景にどんな不安と試行錯誤があったのか、あるいは民主主義がいつ・どんな条件で経済成長と結びついたのか。抜粋にもある通り、「通信・輸送」「財産権」「低金利」「技術進歩と資本の循環」など、今の私たちが当たり前だと思っている基盤に手が届く距離で触れられます。 読んでいると、日々の悩みがすぐ解決するわけではないけれど、「自分がいまいる場所が長い歴史の延長線上にある」という感覚が静かに戻ってきます。焦って答えを求めなくても、仕組みの視点を持つだけで判断が少し安定する。そんな一冊です。社会の変化を“点”ではなく“流れ”で見たい人に刺さると思います。
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