
「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史 「豊かさ」の誕生 成長と発展の文明史 (日本経済新聞出版)
ウィリアム・バーンスタイン and 徳川家広
この本について
最近、国の制度とか政治のニュースを見るたびに、「結局何が良くて何が悪いのか」「自分の生活とどうつながるのか」がぼんやりしたまま終わってしまうことが多くて、ずっとモヤモヤしていました。豊かさとか民主主義って、教科書では聞くけれど、実際はどんな条件で維持されているのか。そこが腑に落ちないまま大人になった感じです。 『「豊かさ」の誕生(下)』は、そのモヤモヤの輪郭をはっきりさせてくれる本でした。たとえば「民主主義を強くするのは制度と教育水準」という断言は、最初は少し冷たく聞こえるんですが、読み進めるうちに妙に現実的で腑に落ちてきます。失業が幸福度に与える影響や、「隣人効果」のような身近な感覚も、制度や豊かさとつながっていて、自分の生活の“居心地”がどんな構造に支えられているかが見えてくる。さらに、援助が効かない国の共通点として法治の弱さが示されるあたりは、「資源の多さより制度の質がすべて」という本書の中心テーマがとてもわかりやすく伝わります。 派手な希望をくれる本ではないけれど、足元の世界の成り立ちに現実的な光を当ててくれる一冊です。社会の仕組みを「表面ではなく中身で理解したい人」に特に刺さると思います。
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