
昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来 (日本経済新聞出版)
ジャレド・ダイアモンド and 倉骨彰
日経BP / 2013-02-25
この本について
人間関係のもつれをどう扱うかでいつも悩みます。自分が悪いのか相手が悪いのか、白黒つけたくなる一方で、仕事でも家庭でも「気まずさだけが残る終わり方」を避けたい気持ちもあって、答えが見えないまま時間だけ過ぎていくことがあります。 『昨日までの世界』を読んで驚いたのは、非国家社会ではそもそも「誰が悪いか」より「どうやって関係を元に戻すか」が中心になっていることでした。宴会を開いて関係を回復させたり、被害者の心情を何より重視したり、あるいは共同体全体で賠償を分担したり。読んでいると、僕らが当たり前だと思っている“問題解決の筋道”が、実はすごく限定的なんだと気づかされます。 この視点が何に効くかというと、まず、仕事での衝突に対して「論理的に勝つ」以外の選択肢が見えるようになります。次に、人間関係のトラブルで相手の感情が読めないとき、どう扱えば軟着陸するのかのヒントが増えます。そして、自分が抱えがちな「悪者をひとり決めて終わらせたい衝動」から少し距離を置けるようになります。 とくに、「人とぶつかったあと、どう締めればいいのか毎回わからない人」にはしっくりくると思います。文明の比較というより、僕らの思考のクセを外から確かめ直すための一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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