
昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来 (日本経済新聞出版)
ジャレド・ダイアモンド and 倉骨彰
日経BP / 2013-02-25
この本について
日々のことに追われていると、自分が何に振り回されているのかよく分からなくなる瞬間があります。健康の不安も、社会との距離の取り方も、「なんでこうなるんだろう」と理由がつかめないまま溜め込んでしまう。僕も同じで、目の前の違和感をそのままにしてしまうことがよくあります。 『昨日までの世界(下)』は、そういうモヤモヤに少し風穴を開けてくれました。たとえば、宗教が「人間が因果を理解しようとした結果、生まれた仕組みでもある」と知ると、目に見えないものに頼りたくなる自分の弱さが、ただの迷信好きではなく、人類史レベルで自然な反応なんだと落ち着けます。あるいは、糖尿病や高血圧のような現代病の背景に、飢餓と隣り合わせだった時代の遺伝的な名残があると知ると、「自制心が足りない」みたいな単純化から少し自由になれる。さらには、ニューギニアとアメリカの「匿名性」や人間関係の距離の違いを知ると、今の生活で感じる窮屈さや孤立感の見え方も変わります。 この本は、解決策を与えるタイプではありません。でも、自分の悩みが個人の欠陥ではなく、人類が長く抱えてきた条件の延長にあると分かるだけで、肩の力が抜けます。視界が少し広がって、今の自分を責めすぎずに済む感じがあります。 自分のモヤモヤを「歴史の中に置き直してみたい人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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