
だまされ上手が生き残る~入門!進化心理学~ (光文社新書)
石川 幹人
この本について
人間関係で振り回されたり、誰かの言動に必要以上にイラっとしたりして、「なんでこんなことで心がざわつくんだろう」と思う瞬間ってありますよね。理性ではそんな反応いらないと分かっているのに、体が先に動いてしまう感じ。僕もよくあります。 この本を読んで腑に落ちたのは、そういう反応の多くが“今の自分の問題”というより、“狩猟採集民としての歴史を背負った体や脳の仕様”にすぎない部分がある、という視点でした。例えば、損をした時のくやしさがやけに強いのも、生存のために損失を避けるようプログラムされているからだとか、弱い存在を見ると安心してしまう自分の嫌な癖も、群れの中で不安をコントロールするための名残かもしれないとか。そう考えると、責めるより「どう扱うか」を考えたほうが建設的になります。 もうひとつ印象に残ったのは、“だまされる力”のほうも人間には必要だという話です。協力して生き延びるためには、相手を信じて身を預ける場面がどうしても出てくる。だからこそ、裏切りにだけ敏感でいると疲れ果ててしまう。自分の衝動や不安を一度受け止めて、「これは昔の名残だな」と折り合いをつけるだけで、対人関係のしんどさが少しだけ減る気がしました。 自分の反応の正体が分からずモヤモヤしている人に、じわっと効く一冊だと思います。人間を“今ここだけの存在”として見てきた人ほど、意外なほぐれ方をするはずです。
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ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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