
「超常現象」を本気で科学する(新潮新書)
石川 幹人
新潮社 / 2014-05-20
この本について
なんとなく「科学で説明できないもの」を考えるときって、頭では否定してるのに、どこかで割り切れない感じが残ることがありますよね。幽霊とか予感とか、説明しきれない体験を思い出すと、あれは全部思い込みだったのか、それとも何か別の理由があったのか…と。僕自身もずっと白黒つけたくなる一方で、「そもそもその問い自体がズレてるのでは」と思う瞬間がありました。 この本が面白いのは、超常的なものを信じるかどうかではなく、「それは人間のどんな働きから生まれるのか」と、かなり現実的な視点でほぐしていくところです。例えば、幽霊体験を「幽霊はいるのか」ではなく「その体験は何に役立つのか」で捉え直す発想は、僕の中のモヤモヤに風を通してくれました。夢や無意識のはたらきを“錯覚だから無価値”と切り捨てず、創造力や気づきにつながる可能性として扱う姿勢も、日常の判断にそのまま使える感覚があります。そして「心理的存在」「社会的存在」「物理的存在」を分けて捉える考え方は、物事を極端に断じてしまう癖にブレーキをかけてくれます。 超常現象にそこまで興味がなくても、「説明できないものを前にしたとき、自分の認識をどう扱えばいいのか」と悩んだことがある人には刺さると思います。僕にとっては、迷信を信じるでも否定するでもない、ちょうどいい距離感を作ってくれる一冊でした。
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