
息吹 (ハヤカワ文庫SF)
テッド チャン and 大森 望
早川書房 / 2023-08-02
この本について
最近、記憶の扱い方とか、人間関係で「これ以上どうしたらいいんだろう」と詰まることが増えてきました。テクノロジーに助けられているはずなのに、気付くと逆に振り回されている感覚もあって。忘れたいことは残るし、覚えていたいことは薄れていく。そのたびに、自分は何を基準に生きているんだろうと戸惑います。 『息吹』は、そんなモヤモヤに対して、ちょっと視点をずらしてくれる短編集でした。たとえば、記憶を外部化できる世界なのに、人はなぜそれでも「忘れる自由」を求めるのかという話が出てきます。責任や因果を過度に追いたがる自分の癖に気づかされたり、テクノロジーが習慣や関係性に与える微妙な影響が、現実の自分にもそのまま返ってきたりします。AIやロボットの話に見えて、結局「人を愛するとはどういう行動なんだろう」という根っこに触れてくるのが、この本の静かな効き方です。 大きな答えをくれるわけではないですが、自分の思い込みの境界線が少しずつ動く感じがあります。特に、ものごとをすぐ因果で説明したくなる人や、テクノロジーとの距離感に悩んでいる人にはしみると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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