
日本の黒い霧(上) (文春文庫)
松本 清張
文藝春秋 / 1974-07-25
この本について
仕事でも日常でも、表に出てこない「背景の力学」が気になる時ってありませんか。誰が何を握っているのか、どこで話がねじ曲がるのか、はっきりしないままモヤモヤだけが残るあの感じです。自分の判断にも自信が持てなくなって、なんとなく流されている気がする時があります。 『日本の黒い霧(上)』は、そんな曖昧さに揺さぶられている時に読むと、視界がひらけるような感覚があります。抜粋にもあるように、爆発物の調合法が流通していた話や、政治資金、機密保護の立案、さらに個人の素行が世論や権力構造に影響していく描写など、いろんな断片が次々に出てきます。最初は雑音に思える情報が、積み重ねるうちに「ああ、こうやって事実が歪んだり、隠されたりするのか」と腑に落ちてくる。自分が見ている世界も、似た構造の上に成り立っているのかもしれないと気づかされます。 もう一つ効くのは、調査に関わる人々の姿勢です。資料を焼き捨てたかもしれない話や、圧力を受けながら調べ続ける研究者の姿は、正解のない状況でも手を動かし続けるしかない現実を思わせます。完璧な答えを探すより、目の前の違和感を丁寧に追いかけるほうが前に進める、そんな実感が残ります。 歴史の闇を知りたいというより、「物事の裏側にある力の動きが気になってしまう人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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