
点と線
松本 清張
文藝春秋 / 2002-08-04
この本について
仕事でも日常でも、「たぶんこうだろう」と思い込みで動いてしまって、あとからズレに気づくことってありますよね。自分では冷静なつもりなのに、先入観が静かに入り込んで、判断を濁らせるあの感じ。私もよくやらかしてしまいます。 松本清張の『点と線』を読むと、その“思い込みのこわさ”がじわっと効いてきます。登場人物たちは、目の前にある事実をつないでいるつもりなのに、実際は「ただ点を勝手に線にしていただけ」だったりする。作中の刑事が語る「慢性になった常識が盲点をつくる」という一文は、ミステリーの枠を超えて、自分の普段の判断にもそのまま刺さる感覚がありました。仕事で人を評価するときや、相手の意図を推し量るときに、どれだけ“知っているつもり”で動いていたかを思い返してしまいます。 清張の描く世界は派手ではありませんが、人物の“自信”や“作為”がどんなふうに周囲の空気を変えるか、その微妙な揺れが細かく描かれていて、読みながら「ああ、こういう人いるよな」と妙に実感が湧くんですよね。だからこそ、ミステリーとして楽しみつつ、自分の観察の癖にも気づける一冊になっています。 思考のクセを一度立ち止まって見直したい人に、とくに刺さると思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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