
南極点のピアピア動画
野尻 抱介
早川書房 / 2012-02
この本について
仕事でも趣味でも、技術に置いていかれているような感覚って、ふとした瞬間に襲ってきます。新しい仕組みの話を聞いてもピンとこなかったり、「これって具体的に何が面白いんだっけ」と自分のアンテナに自信がなくなるあの感じです。僕もよくそこにハマります。 『南極点のピアピア動画』を読んで救われたのは、最先端の技術が難しい理屈ではなく、人の遊び心や好奇心から動き出すものとして描かれていたところです。ブートストラップやオープンソースの硬い話も、誰かが「やってみたい」とひっぱることで現実になる。ハードもソフトも境界が溶けていく感じが、この物語では妙に日常的で、そこに自分の悩みがほどけていく感覚がありました。また、バーチャルアイドルや動的に変わる音楽のくだりを読んでいると、技術って結局「誰かが誰かに届けたい」という気持ちの延長なんだと分かる。技術に疎い日があっても、楽しさに気づくところからでいいんだと許された気がします。 自分の「わからない」を後ろめたく感じがちな人や、技術と創作の距離感にモヤモヤしている人にとって、この本はひとつの風通しになります。僕自身、読み終えたあと、難しさより「やってみたら案外面白いかも」という軽さが残りました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
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