
10年大盛りメシが食える漫画家入門
樹崎 聖、菅野 博之
講談社 / 2016-09
この本について
創作をしていると、「自分の表現ってこのままでいいのか」「読者に届く形になっているのか」という不安がいつまでもつきまといます。描きたい気持ちはあるのに、どう読ませれば面白くなるのかが分からないまま手が止まること、僕もよくあります。 この本が面白いのは、技術論に寄りかけすぎず、でも感覚論だけにも逃げず、「読者がどう感じるか」という視点で語られているところです。たとえばコマの大小で体感時間を変える話は、実際に手を動かす時にすぐ試せますし、主人公の主観で見える世界を描くという考え方は、物語の作り方そのものを変えてくれます。さらに「ギョッとして、それでも好きかもと思える何かを拾う」という姿勢は、アイデア探しの焦りを静かにほぐしてくれる感覚があります。 もう一つ、個人的に刺さったのは「読者の求めるものを優先する」という現実的な視点です。きれいごとではなく、でも表現欲や楽しさを手放す必要もない。そのバランスの取り方を、実例や体験と一緒に見せてくれるので、妙な説教臭さがありません。創作が苦しくなる瞬間に読み返すと、自分の迷いをそのまま肯定されたような気持ちになります。 創作の手応えがほしい人、そして「面白く描くって結局どういうことなんだろう」と迷っている人に特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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