
見るレッスン~映画史特別講義~ (光文社新書)
蓮實 重彦
この本について
映画を見ていると、つい物語に気持ちが流れていって、「これって本当に良かったのかな」と自分でもよく分からなくなることがあります。見たはずなのに心に残らないとか、逆にしんどいテーマを“救い”で無理やりまとめられるとモヤモヤが残るとか。そういうとき、自分の見方そのものを疑いたくなる瞬間があると思うんです。 『見るレッスン』は、まさにその“見方のほころび”に手を添えてくれる本でした。蓮實さんの言葉は時に厳しいけれど、映画をどう味わうかを押しつけるものではなく、「異質なものにさらされる」「被写体とカメラの距離を感じる」といった、ごまかしのきかない感覚の話をしてくれます。物語ではなくショットを見るという視点も、実際に映画館で試してみると、今まで拾えていなかった揺れや温度に気づけたりして、自分の鑑賞の癖が少しずつ変わっていくのを感じました。 全体として、この本は“映画が救ってくれるかどうか”ではなく、自分が今どんなふうに世界を受け取っているのかを確かめるための道具に近いです。作品に向き合うときの姿勢が変わるので、鑑賞後の余韻の質が変わる。そんな実感をくれる一冊でした。 いつの間にか映画を「分かろう」としすぎて疲れてしまった人、もっと素直に驚けるようになりたい人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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