
映画現場のプロたちが教える 面白さが100倍になる鑑賞術
石塚 就一
この本について
映画を見るたびに「結局あらすじしか追えてない気がする」「伏線とか編集の意図まで理解するのは自分には無理だな」と、どこかモヤっとする時があります。面白かったはずなのに、感想がうまく言語化できないまま流れていく感じ。僕もずっとその繰り返しでした。 この本は、その行き詰まりに静かに風を通してくれます。たとえば、「衝撃的な展開がなくても、ささいなショットや音で心が動く理由」が丁寧に語られていて、あらすじ中心の見方から少し離れるきっかけをくれます。また、違和感を「おかしい」ではなく「どうしてだろう」と受け止める姿勢が紹介されていて、細部にこだわりすぎて視野が狭まる癖が自然とほどけていきます。さらに、作り手の気配がどこに潜んでいるのかを意識すると、同じ作品でも見える景色がまったく変わる感覚があって、これは読んでからすぐに試したくなりました。 大げさに「映画の見方が劇的に変わる」とまでは言いませんが、日常の鑑賞に小さな“奥行き”を足してくれる一冊です。あらすじの理解よりも、画面の空気や光の意味を感じ取ってみたい人に特に刺さると思います。 映画をもっと好きになりたいけど、どこから深めればいいのかわからない時に、そっと寄り添ってくれる本でした。
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