
荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟【帯カラーイラスト付】 (集英社新書)
荒木飛呂彦
集英社 / 2013-05-22
この本について
物語を見ても読んでも、「面白いって結局なんなんだろう」と立ち止まる瞬間があると思うんです。サスペンスを観ても、刺さるときと刺さらないときの差が説明できなくて、自分の感性の問題にしてしまいがち。でも本当は、そこにちゃんと理由があるのかもしれません。 この本を読んで印象的だったのは、「面白さ」を自分の感覚頼みにしないで、観客として何に反応しているのか丁寧に分解してくれるところです。たとえば、物語の核になる“謎”の置き方。わざと大げさにせず、日常からほんの少しだけズレた違和感に気づけるようになると、どんな作品も急に立体的に見えはじめます。それに、主人公への共感の作られ方も興味深くて、善人かどうかより「存在にリアリティがあるか」で物語は動き出すんだと腑に落ちました。さらに、映画を観ながら「このキャラは今何を背負っているんだろう」とか「ここでサスペンスが始まったな」とノートに落とし込んでいく著者の姿勢が、そのまま自分の“面白さの感覚”を育てる練習になっていきます。 作品をただ受け取るだけじゃなく、自分の中にある基準を言葉にしたい人に向いている一冊です。感性を磨くというより、感性の“中身”を見えるようにする本だと思います。
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