
批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)
廣野由美子
この本について
小説を読むたびに「面白かった、で…結局どう読み解けばいいんだろう」と立ち止まることが多くて、物語の奥にある仕組みを自分なりに掴めないまま次の本へ進んでしまう。そういうモヤモヤを抱えたまま読書量だけが増える時期が、僕にもありました。 『批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義』は、その“読み方の地図がない”感じを少しずつほぐしてくれます。物語に速度があるという視点や、一人称語りの限界がどう物語を形づくるかなど、抽象論ではなく具体的な手つきで教えてくれるので、「あ、こうやって作品を分解して見ればいいのか」と腑に落ちる瞬間が多いんです。デリダやラカンのような理論も、ただ名前だけ知っている状態から、「小説の読み方としてどう働くのか」に変わっていきます。 読んでいて一番ありがたかったのは、作品世界の外へ向かう読みと、内側に潜る読みがどう違うのかを丁寧に示してくれるところでした。どちらが正解でもなく、視点を変えるだけで物語の輪郭がこんなに変わるのか、と自分の読書のクセにも気づけます。 物語を“感じる”だけでなく“理解して味わいたい”人にとくに刺さる一冊だと思います。僕と同じように、小説の読み方そのものに悩んできた人には、かなり相性がいいはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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