
人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病 (早川書房)
ダニエル E リーバーマン and 塩原 通緒
早川書房 / 201711
この本について
仕事や生活のクセを見直したいのに、何が自分に合わないのか言語化できないままモヤモヤすること、ありませんか。睡眠や運動、食事に気をつけているつもりでも、どこかしっくりこない。自分だけが不器用なのかと思ってしまうあの感じです。 この本を読んでみて思ったのは、「しっくりこなさ」は能力不足ではなく、そもそも私たちの身体が“旧仕様”のまま生きているから起こるものだということでした。二足歩行を選んだ理由、脳と腸のエネルギー配分のせめぎ合い、文化のスピードに身体が追いつけていないこと。どれも日常の違和感と地続きで、例えば運動のしんどさや現代病の多くが、生物学的な癖とのミスマッチとして腑に落ちていきます。 個人的に助かったのは、「人間の体は不完全な妥協の産物」という視点でした。完璧に最適化されていないからこそ、疲れやすさも集中力の波も自然な挙動だと受け止めやすくなる。さらに、人類がなぜ長距離を走れるのか、なぜ窒息しやすいのかといった細かい話が、毎日の身体感覚にそのままつながるのも面白いところです。 自分の調子の悪さを「弱さ」で片づけられない人、理由が知りたい人ほど静かに刺さる本だと思います。
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