
「最前線の映画」を読む(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)
町山智浩
この本について
大人になっていくほど、「自分の選択って本当に自分の意志なのか」とか、「怖さや不安をごまかしながら生きてないか」とか、ふと立ち止まる瞬間が増えます。映画をただ“作品”としてではなく、自分の生活や感情と地続きのものとして見ると、そのモヤモヤに小さなヒントがあることがあります。でも、そこまで深く読み解くのは一人だとけっこう難しいんですよね。 町山さんの『「最前線の映画」を読む』は、その読み解きの作業を一緒にやってくれる本でした。たとえば『イット・フォローズ』が描く“死に追われる感覚”を、若さの終わりや大人になることの戸惑いと重ねて説明してくれる。あるいは『ラ・ラ・ランド』の恋と芸術のすれ違いを、「狂気を抱えながら何かを選び続ける人の物語」として捉え直してくれる。その視点を知るだけで、映画だけじゃなく自分の感情の扱い方まで少し変わる感覚がありました。 また、この本の面白いところは、理屈を押し付けずに、映画が内側に持つ“矛盾”をそのまま見せてくれるところです。人生の選択も、感情の揺れも、パズルみたいに全部がうまくはまるわけじゃない。その“噛み合わなさ”ごと受け止めることで、逆に自分の中の整理が進む人もいると思います。 映画を通して、自分の不安や決断の意味を少し遠くから見直したい人に向く一冊です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの42%が集中しています。
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