
砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)
川北 稔
この本について
最近、身の回りのモヤモヤの正体がよくわからなくなることがあります。自分の選択なのか、時代の空気に流されているだけなのか。そういう曖昧さを抱えたまま働いていると、「いま見えているものって、本当に全体の一部なんだろうか」と不安になる瞬間があると思います。 『砂糖の世界史』を読むと、その感覚が少し整理されます。砂糖きびが土地を疲弊させ、労働力を移動させ、都市化や時間感覚の変化まで生み出していく流れを追ううちに、日常の裏側にある「世界規模の因果関係」が立ち上がってくるんです。砂糖プランテーションで工場のような規則労働が先に成立していた話や、安価な朝食を確保するために貿易政策が動いていた話は、身近な生活がどれだけ外側の事情とつながっているかを実感させてくれます。 歴史を知るというより、自分が立っている場所の輪郭が少しクリアになる感じに近いです。なにか一つの原因に回収しない姿勢で、けれど世界の動きが個人に及ぶリアルさは逃げずに書いてくれているので、読み終えたあと「だから私は今こう感じていたのか」と納得できる瞬間がありました。 目の前の違和感の意味をもう少し丁寧に理解したい人に刺さる本だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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