
多様性の科学
マシュー・サイド
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2021-06-25
この本について
仕事でチームを動かすとき、「みんな優秀なのに、なぜか判断を誤る」「議論は平和なのに、不安だけ残る」みたいな場面がけっこうあります。自分もそうで、プロジェクトが迷走したときほど、実は問題そのものより“見えていない盲点”の方が大きかったりします。 『多様性の科学』が効くのは、まさにこの“盲点”の扱い方です。抜粋からも伝わるように、本書は「多様性を増やせば正しい答えに近づく」という単純な話ではなく、同じような人だけで固まると気持ちよさだけが増えて、間違いに自信まで持ってしまう危うさを丁寧に描いています。視点がぶつかり合う場は疲れるけれど、その摩擦こそが精度を上げる。自分がどの分野をカバーできていて、どこに“目隠し”があるのか、一度引いて見られるようになります。 もうひとつ大きかったのは、「第三者のマインドセット」の話です。当事者でいながら、少し距離を置いて疑問を呈する役割。専門性がある人ほど難しい姿勢ですが、チームのズレを防ぐためには誰かが担わなきゃいけない。読んでから、会議で「いま私たちが見落としているのはどこか」を一度だけ確認するようになりました。 同じ考えの人たちといると安心しすぎてしまう人、チームが妙に順調なのにどこか不安を感じている人には、とても刺さる本だと思います。
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