
8050問題の深層 「限界家族」をどう救うか (NHK出版新書)
川北 稔
NHK出版 / 2019-08-30
この本について
家族の中で問題を抱えていても、「これを誰に話せばいいのか」「自分の家庭だけが特別に難しいのでは」と感じてしまうことってありますよね。支援につながろうとしても、相手が近所の人だったらどうしようとか、そもそも相談すること自体が“見放す”ように思えて踏み出せないまま時間だけが過ぎていく。僕自身、身近な人のことで似た迷いを抱えたことがあって、抜粋のようなリアルな声に思わず手が止まりました。 この本が助けになるのは、まず「ひきこもり」を“人につくラベル”ではなく“状態”として扱っているところです。誰でも入りうる状態として描かれると、責める気持ちも責められている気持ちも少しゆるむんですよね。もうひとつは、いきなり劇的な変化を求めない姿勢です。「生活を少し楽にする関わり」が信頼の最初の一歩になるという視点は、家族が抱えがちな絶望感を現実的にほぐしてくれます。そして何より、家族だけで抱える構造そのものに光を当て、「外に出すことは見放すことではない」と整理してくれる点が大きいです。 身近な誰かのことで動けずにいる人、あるいは自分の中の“二者択一”の思考に追い詰められている人にこそ、静かに届く本だと思います。
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