
情報以前の知的作法 踊らされるな、自ら踊れ
西きょうじ
講談社 / 2012-06-01
この本について
最近、情報を見るたびに気持ちがざわつくとか、誰かの意見にすぐ振り回されてしまうとか、そんな感覚を抱えている人は多い気がします。自分の考えを持ちたいのに、つい早く結論に飛びついたり、気づけば無意味な口論に巻き込まれていたり。僕自身、忙しさに流されるほど「考える前に反応してしまう」瞬間が増えている実感があります。 この本が面白いのは、解決策として「もっと情報を整理しよう」とは言わないところです。むしろ逆で、まずは受け取る力を取り戻すこと、そして不安や分からなさと同居したまま世界を見る姿勢を整えることを重視します。五感で対象に向き合うことから思考は始まる、という指摘はかなり刺さりましたし、分野をまたぐ大きな枠を持つことで知識が立体的につながる感覚も、実際やってみるとけっこう効きます。また、「対立項でしか考えられない知性は貧しい」という言葉は、SNSで反射的に反応しがちな僕には耳が痛いけれど、確かにその通りだと感じます。 派手なノウハウが欲しい人向けではないですが、思考の姿勢そのものを整えたい人、そして「情報に疲れているけど離れるわけにもいかない」と感じている人にはしっかり届くはずです。自分の軸を保ったまま世界と関わるとはどういうことか、静かに教えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの57%が集中しています。
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