
人類は衰退しました5 (ガガガ文庫)
田中ロミオ、戸部淑
小学館 / 2012-03-21
この本について
最近、人間関係でどこまで本音を出していいのか分からなくなることが多いです。強がりでごまかしてみても、ふとした瞬間に「ひとりは…いや…です」と心の底が露出してしまう。そんなとき、自分の俗っぽさも弱さも含めて、どう折り合いをつければいいのか迷います。 『人類は衰退しました5』を読んでいて感じたのは、奇抜な世界観の裏で、人の裏表や欲深さ、環境によって性格が揺れ動く様子がえらくリアルに描かれていることでした。「人間性は信頼してない。ただ裏表はない」という台詞は、ときに清濁あわせのむ処世感覚よりも、むしろ誠実に聞こえます。自分の腹黒さに気づいて落ち込む日でも、こういう視点があると少し呼吸がしやすくなる。 さらに、誰かと和合しようとして空回りしたり、異分子扱いされたりするあの感じにも本書は妙に寄り添ってくれます。形だけの正しさに縛られるより、自分の芋づる的な思考の癖ごと受け入れてしまった方が楽だな、と思わせてくれる場面が多い。 人付き合いの「めんどくささ」と「面白さ」の両方を扱いたい人に刺さると思います。これは問題を解決してくれる本ではないけれど、自分の弱さを否定しないまま続けていくための、小さな視点のほつれが拾える一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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