
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
桜坂洋
集英社 / 2014-06-19
この本について
毎日をちゃんと積み重ねたいと思うのに、ふと「全部やり直せたら楽なのにな」とか「この選択に意味あるのか」とか、そんな気持ちになることがあります。やる気が出ないというより、有限の時間を前に立ちすくむ感じに近いかもしれません。 『All You Need Is Kill』が刺さる人って、たぶんそういう“足が止まる瞬間”を経験している人だと思います。ループという極端な設定ではあるんですが、読者が保存している抜粋を見ていると、彼らが戦場で毎回「一秒を切り刻む」ように生きる姿に、自分の毎日をどう扱うかというリアルな視点が重なっているように思います。時間は伸びないし、やり直しもできない。でもそのかわり、人間は経験によって変われるし、多様になれる。そうした考え方が、読んだあとじわっと残るんですよね。 もうひとつ大きいのは、能力とか努力以前に、「選択すれば、何かを失う」という当たり前だけど直視したくない現実が描かれているところです。やりたいことと得意なことが一致しない苦さとか、自分が前に進むことで誰かを置いていく感覚とか。そこを無理にポジティブにしないで、そのまま提示してくれるのが、この作品の強さだと思います。 現実を大きく変える処方箋ではないけれど、限られた時間の中でどう立つかを自分なりに考えたい人には、しっかり届く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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