
稲盛和夫のガキの自叙伝 (日本経済新聞出版)
稲盛和夫
日経BP / 2004-09-01
この本について
仕事をしていると、理屈では分かっているのに前に進めない時があります。現場での試行錯誤が足りないのか、そもそも自分の心の持ちようが乱れているのか、判断がつかなくなるあの感じです。頑張りたい気持ちはあるのに、気力も方向性も定まらないまま日々が過ぎていく。そんな時に、この本が少しだけ呼吸を整えてくれました。 稲盛さんの言葉は「こうすれば成功する」という類ではなく、泥臭い試行錯誤や心の揺れをそのまま差し出してきます。たとえば、現場で失敗続きの担当者に「神に祈ったか」と問いかける場面は、努力の量を問うというより、最後の一手までやり切る覚悟をどう持つかを考えさせられました。また、組織を小さく分けて全員が経営者意識を持つようにした話も、仕組みというより「人が本気になる状態とは何か」を考えるきっかけになります。さらに、心の持ちようを切り替えた瞬間に好循環が始まったというエピソードは、状況が動かない時ほど自分の姿勢を見直す意味を静かに示してくれます。 自分の仕事に迷いが出た時、もう少し踏み込みたいのに足が止まる人に刺さる一冊だと思います。理想論でも精神論でもなく、一人の人間が積んできた経験から、「どう生きると仕事が前に進むのか」を現実的な温度で示してくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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