
日本資本主義の精神なぜ、一生懸命働くのか (PHP文庫)
山本 七平
PHP研究所 / 1995-01-01
この本について
仕事でも人間関係でも、「なんでこんなに“話し合い”ばかりなんだろう」と思う瞬間ってありますよね。合理的に決めればいいだけの場面なのに、空気や関係性が前提になってしまって、結局みんなが疲れるあの感じ。私自身、組織で働く中で、この“見えない前提”に振り回されている気がして、ずっとモヤモヤしていました。 山本七平『日本資本主義の精神』は、その正体を歴史や思想から丁寧にたどってくれる本です。たとえば、日本では機能集団がいつのまにか共同体に変わっていくという指摘。解雇が「話し合い」で形を整えないと成立しないとか、社員持株会が“家”のように働いてしまうとか、現場の実感と妙に重なるところが多いです。また、忙しく振る舞わないと不安になる心理や、契約よりも擬制の関係が優先される構造など、自分の行動のクセまで説明されている気がしてドキッとします。 この本のいいところは、日本社会を否定するでも礼賛するでもなく、「なぜそうなっているのか」を静かに描き出してくれるところ。読んだからといって明日から急に身軽になるわけではないですが、少なくとも自分の違和感が言語化されるだけで、無駄に自分を責めなくてよくなります。 組織の“空気”にしんどさを感じている人に、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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