
日本人とは何か。(上巻)神話の世界から近代まで、その行動原理を探る (PHP文庫)
山本 七平
PHP研究所 / 1992-01-01
この本について
最近、「日本ってどう成り立ってきたんだろう」と思う瞬間が増えてきました。歴史の授業で習った枠組みのままだと、いまの社会の複雑さを説明しきれない感じがして、どこか手がかりを探している…そんなモヤモヤです。 山本七平『日本人とは何か。(上巻)』は、その穴を静かに埋めてくれる本でした。読者の方が保存していた抜粋を見ると、刺さっているのは「日本の制度や感覚が、実は偶然ではなく、かなり長い積み重ねの上にある」というところのように思います。例えば、律令制をそのまま受け入れられなかった理由や、日本語を守るために漢字を“手なずけた”という苦闘、さらには多数決で式目を作り上げた武士の姿。今の自分たちの行動原理が、遠い昔の“選択の積層”でできていると実感できます。 読んでいて一番効いたのは、「日本だけが特別なのではなく、世界の他地域と似た動きも共有している」という視点でした。マグナ・カルタと貞永式目がほぼ同時期だったり、女性の権利が思われているほど弱くなかったり。どれも“思い込みの地図”を書き換えてくれる感覚に近いです。歴史を知るというより、自分の思考の土台がどう作られたのかを確かめる読書でした。 自分の立ち位置を問い直したい人、ものごとの背景を知ってようやく落ち着けるタイプの人には、とくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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