
日本思想全史 (ちくま新書)
清水正之
筑摩書房 / 2014-11-10
この本について
仕事でも人生でも、「日本的って何なんだろう…」と考える瞬間ってありませんか。昔の価値観をそのまま肯定する気にもなれないし、かといって全部を距離を置いて眺めるほど割り切れもしない。私もずっと、この曖昧な違和感を処理しきれないまま来ていました。 『日本思想全史』を読んで感じたのは、そういうモヤモヤに正面から向き合うための“手がかり”が端々に散らばっていることでした。たとえば、国学が儒教への反発だけでなく、都会化や世俗化といった時代の変化に応答して生まれたという視点は、思想そのものを“固定的な正義”ではなく“その時代の現実への返事”として見る態度を教えてくれます。また、『古事記』と『日本書紀』の構成の違いが、後の思想にどんな問いを残したのかまで丁寧に追うことで、「日本思想」という言葉にまとわりつく重たさの正体が少しずつ輪郭を持ってきます。さらに、近代の研究者たちが哲学と思想史の線引きで悩み続けた話にも救われるものがあり、完璧な体系なんて最初からなかったんだと肩の力が抜けました。 「自分の立っている場所をもう少し深く知りたいけれど、決めつけられるのはしんどい」という人には特に刺さる一冊だと思います。歴史や思想に詳しくなくても、今の自分の考え方がどこから来ているのかを静かに見直したいときに、ちょうどいい距離感で寄り添ってくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの64%が集中しています。
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