
国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)
ダロン・アセモグル, ジェイムズ・A・ロビンソン, and 鬼澤 忍
早川書房 / 201605
この本について
仕事でも社会でも、「なぜ同じ失敗が何度も繰り返されるんだろう」と感じることがよくあります。人が代わっても組織が停滞したり、改革を掲げたリーダーが気づけば旧体制と同じことをしていたり。自分の努力ではどうにもならない壁にぶつかると、どこから手をつければいいのか分からなくなるんですよね。 この本が面白いのは、そうした停滞の根っこにある“制度のクセ”を、歴史の具体例で見せてくれるところです。たとえば、誰かが強権を握ると周囲もそれに合わせて行動が歪んでいくことや、公平な競争の場がないと経済は一時的に伸びても必ずどこかで息切れすること。あるいは、制度が変わらない限り「新しいリーダーが旧体制を再現してしまう」という悪循環まで、淡々と積み上げられたエピソードが妙に現実味を持って迫ってきます。 読んでいると、「個人の努力が意味ない」という話ではなく、むしろ自分が置かれている環境をどう見立てるかで、できる選択が変わるんだと気づかされます。制度が包括的に変わる瞬間はたいてい小さな積み重ねから始まっていて、その萌芽をどう拾うかが大事なんだろうなと。 組織の停滞にモヤモヤしている人、あるいは「なぜ社会は変わらないのか」を歴史の実例から理解したい人には刺さる一冊です。
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