
新装版 大英帝国衰亡史
中西 輝政
PHP研究所 / 2015-02-20
この本について
仕事でも社会でも、気づけば「制度が重くて変えられない」とか、「勢いがあった頃のやり方に引っ張られている気がする」とか、じわっとした不安を抱えることがあります。外の競争より、内側の惰性のほうが怖いんじゃないか…と感じる瞬間もありますよね。 『大英帝国衰亡史』がおもしろいのは、まさにその“内側の問題”を正面から扱っているところです。強大な国がどう崩れるかという話が、歴史の出来事ではなく、人や組織の精神の変化として描かれていて、自分たちの仕事の現場にも通じる怖さがあります。成功体験が価値観を固めてしまうこと、制度が複雑になりすぎて修正できなくなること、そして気力や矜持の衰えがじわじわ全体を蝕むこと。そのどれもが、遠い国の話というより「自分の組織でも起きていないか」と考えさせられました。 同時に、イギリスが何度も危機を乗り越えた背景に、“気骨ある異端”を受け入れる懐の深さや、国力を静かに育て続けるタイプのリーダーの存在があったことも描かれています。派手さはないけれど、長い時間軸で見ると何を積み上げるべきかが見えてきます。 組織がなぜ行き詰まるのか、そしてそこからどう抜け出せるのかを歴史から考えてみたい人に刺さる一冊だと思います。
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