
教養としての「世界史」の読み方 (PHP文庫)
本村 凌二
PHP研究所 / 2024-04-01
この本について
仕事でも日常でも、判断に迷う場面が続くと「自分の経験だけで考えるのは心もとないな」と感じることがあります。特に社会や政治の空気が揺れていると、何が正しいのか、どこまで流れに乗るべきなのかがわからなくなる。そんなモヤモヤを抱えているときに、この本を読んで少し肩の力が抜けました。 たとえばローマが「多数決よりも独裁を許さない仕組み」を重視していた話は、今の組織でもそのまま考えられる視点でした。集団が暴走しないためにどこに歯止めを置くのか、という発想が歴史の中でどう形になってきたのかが丁寧に描かれています。また、文化が地域性を超えて「普遍性」を獲得していくプロセスは、自分の価値観がどこから来たのかを考えるきっかけになりました。さらに、ソフト・パワーの部分は、目に見えない影響力が気づかぬうちに人を動かしてしまうという説明が、現代の情報環境と重なって妙に腑に落ちます。 世界史を広くなぞるというより、歴史の読み方そのものを手渡してくれる本なので、「自分の判断軸を少し補強したい人」に特に合うと思います。自分の経験だけでは届かないところに、過去の蓄積を静かに差し出してくれる一冊でした。
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