
世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
高野秀行 and 清水克行
集英社 / 2015-08-31
この本について
仕事でも日常でも、目の前の判断に妙な不安がつきまとう時があります。正しいのか間違っているのか分からないまま、とりあえず前に進んでしまう感じ。僕自身よくそうなるんですが、この本を読んでいると「そもそも、今の価値観だけで判断しようとしてるから苦しいのかも」と少し肩の力が抜けました。 例えば、中世の人が“未来は後ろにある”と考えていた話。未来はコントロールできるものだという感覚そのものが、実は最近の発明なんだと知ると、計画が思い通りにいかないくらいで自己否定する必要なんてなかったんだなと思えてきます。また、議論で白黒つけず、とにかく話し合い続けて落としどころを探す中世のやり方を知ると、僕らが会議で「結論を急ぎすぎてるだけ」だったりするのも見えてきます。さらに、外国人への襲撃の理由が排外感情ではなく「政府のメンツを狙うから」という説明には、現代のニュースの見え方まで変わるような感覚がありました。 歴史の豆知識を集めた本ではなく、思い込みを外してくれる“異文化との往復運動”みたいな読書体験でした。今の当たり前に違和感がある人、視点を一度ほぐしたい人にはけっこう刺さると思います。僕も読んでから、目の前の出来事を少し柔らかい目で見られるようになっています。
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