
相対主義の極北 (ちくま学芸文庫)
入不二基義
春秋社 / 2001-01
この本について
仕事でも日常でも、「自分の見ている世界ってほんとに“それ”なのか?」みたいな不安がふと出てきませんか。相手と話が噛み合わないときや、同じ出来事をまったく違う角度で捉えてしまうとき、自分の感じ方の“根っこ”みたいなものを問われている気がして落ち着かなくなることがあります。 この本は、そういうモヤモヤを一刀両断するのではなく、むしろ丁寧にほどいてくれるような一冊でした。たとえば、空間や時間、因果関係みたいな「世界の前提」に見えるものが、実は私たちの側に属しているという指摘は、ものの見え方が揺れる不安を少しだけ別の角度に置き直してくれます。また、相対性を追いかけると絶対性に近づき、絶対性を突き詰めると相対性へ反転してしまうという感覚は、答えを出せなくて焦ってしまう場面で、「そもそもこういう構造の中にいるんだな」と思わせてくれる。さらに、人間尺度説が“人間すごい”みたいな話ではなく、むしろ非‑知とつながっているという視点は、判断に迷うときの“足場のなさ”を少し受け入れやすくしてくれます。 自分の考えが揺れるのが怖いけれど、同時にその揺れをちゃんと扱えるようになりたい人にはじわっと効くと思います。読んで即なにかが変わるというより、世界の輪郭が少しだけ柔らかくなるような読後感でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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