
「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明
伊神 満
日経BP / 2018-05-25
この本について
仕事で新しい提案をするたびに、「これって本当に意味があるのか?」と自分でももやつくことがあります。市場分析もしているつもりなのに、どの視点で考えればいいのか迷ってしまう。特に大きな組織にいると、既存顧客の要望が強くて、新しい方向性を語ること自体がどこか脇に追いやられる感じがあるんですよね。 この本は、そういう「視点の迷子」にちょっと効きます。まず、唯一の正解の分類なんてない、という前提に立てるのが大きいです。問いが変われば、見るべきポイントも変わる。その割り切りがあると、今の自分が考えるべき論点が少しクリアになります。また、既存顧客が強い企業ほど新しい流れに乗り遅れる、という指摘も、自分の職場の動きと重ねると妙にリアルでした。新しいものをやるほど既存の利益が削られるから腰が重くなる、という構造を知ると、「なぜ変われないのか」が個人の怠慢ではなく仕組みの問題として見えてきます。そして、「共喰いをあえて黙認する」という逆張りの考え方も、実務に落とすとどこから小さく実験できるかを考えるきっかけになりました。 組織の中で新しいことを考えたいけれど、どうしても足が止まる人に刺さる本だと思います。悩みの根っこを言語化しつつ、現実的にどう視点を切り替えるかを教えてくれる一冊でした。
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