
大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる
貫成人
KADOKAWA / 2019-05-24
この本について
ときどき、自分が見ている世界の“前提”が本当に正しいのか不安になることがあります。仕事でも、人間関係でも、同じ出来事なのに人によって解釈がまったく違ったりして、自分のものの見方が偏っているだけなんじゃないか……と。考えれば考えるほど、どこから考え始めればいいのかわからなくなるあの感じです。 この本は、そんなモヤモヤに対して「まず視点の地図を広げよう」と教えてくれます。たとえば、科学とは何をもって“正しい”と言えるのか、という話では、仮説と観察結果の対応という客観性の基準が示されます。これは、日常の判断でも「思い込みと事実をどう切り分けるか」を見直すきっかけになりました。また、マルクスの下部構造と上部構造の考え方に触れると、自分の価値観も社会の仕組みから影響を受けているとわかり、意見が合わない相手への理解の糸口にもなります。さらに、ガダマーの“異物に出会うときこそ理解が広がる”という考えは、苦手なテーマや人を避けがちな自分の癖を振り返るきっかけになります。 哲学の専門知識を詰め込む本ではなく、「自分の見えている世界のほうを少し広げたい人」に効く内容です。難しい概念も、なぜそれが生まれたのか、何を説明しようとしたのかという文脈で語られるので、理解の取っかかりがつかみやすい。普段の考え方をメンテナンスしたいときに、机の端に置いておくと助かる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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